Blockstream衛星を使う長所の一つとして、ビットコイン・ネットワークに参加する際、発生する費用を削減できるということです。衛星サービスによってより多くの人達が自分のビットコイン秘密鍵とビットコイン・フルノードを持ち、高いセキュリティ水準を持することができます。
Blockstream衛星はビットコイン・ネットワークへの参加を促す為のプロジェクトですが、宇宙から衛星を通じてデータを受信する際、一般的に必要となるハードウェアは費用として負担になる為、我々は少しクリエイティブになる必要がありました。
ハードウェアは無用、ソフトウェアで解決
ソフトウェア無線の使用は費用削減に繋がります。専門的な衛星装備は数百万円にものぼり、全ての信号処理は専用の電気回路を通じて行われます。一方、ソフトウェア無線を使うことによって、このようなハードウェアの処理はソフトウェアが担うことになります。ユーザーは2千円弱で購入できるUSB SDR dongleを接続するだけで利用できます。
Blockstream衛星から発信される電波信号はアナログである為、コンピューターで処理できるように信号をデジタルに変換する必要があります。SDRインターフェースは、このようなアナログからデジタルへの変換を担いデータをUSBポートを通じて送信します。送信されたデータはGNU Radio技術を使い処理されることになります。
信号処理に必要とされるCPU能力(2GHz 2-core Intel i5以上)は前世代パソコン、NUC、またはデスクトップで十分ですが、フル・ノードを立ち上げる際必要なものより高いです。
以下の動画は、Blockstreamの信号処理専門家であるIgor Friere氏によるBlockstream衛星ソフトウェアを使ったGNU Radio基盤の信号処理に関するものです。注意: 技術的な内容です!
Blockstream衛星の長所
この機会にBlockstream衛星がもつ多くの長所について紹介します:
グローバルな接近性
前述したように、ビットコイン・ネットワークへの参加に伴う費用はニーズが高い新興国市場(経済的不安やインフレーション率の高い環境)では参入障壁となり兼ねます。
ビットコインのフル・ノードを運営するにはリレー無効やブロックモードに設定したとしても、最小限に10GB/月の帯域幅が必要です。既に大多数のISP帯域幅の上限を上回る水準であり、新興国市場ではこの費用がより高く算定されることが多く、ビットコイン・ネットワークへの参加が経済的に手に届かないものとなり得ます。
プライバシーとセキュリティー
Blockstream衛星データはブロードキャストと読み出し専用であり、ISPとビットコインP2Pネットワークの他ユーザーは貴方がビットコインを使っていることを特定することができません。フル・ノードIPアドレスから実際の住所を探り当て物理的な窃盗や強盗等の犯罪リスクからも守ることができます。
復元性
個人と企業にとっても、インターネット回線の障害等によりビットコイン・ネットワークで断絶状態に陥ることは高額なトランザクションを受け取る時、非常に深刻なセキュリティーリスクとなります。Blockstream衛星はインターネットとは独立したものとしてこのようなリスクに対応することができます。
新しいインフラ
新興国と遠隔地でのビットコイン接続を広げる為に数多くのプロジェクトが進行中です。Wifiホットスポットやメッシュ・ネットワーク、またLoRa等、Blockstream衛星への接続とインターネット普及を通じて費用の削減を図っています。
衛星ノードを立ち上げるには
Blockstream衛星ネットワークに接続する為には、GitHubオフィシャルガイドを参考してください。また、Blockstreamメンバーの北アメリカでのセットアップ・ガイドも参考になりますのでこちらからご拝見ください。
Blockstream衛星のグローバル・カバレッジの地図