弊社が運用し、ビットコインデータや(ライトニングネットワーク払いで!)あなた自身がカスタムデータを宇宙から配信できる静止衛星、Blockstream Satelliteへの新機能の追加と改善をお知らせします。今回はSatellite APIを利用したカスタムデータの配信料金の切り下げ、blocksat-cli
ユーティリティの新機能、そしてLNsyncサービスの配信開始です。
宇宙からのデータ配信がより安く
ビットコイン価格も衛星軌道に乗ったため、Satellite APIを使ったBlockstream Satellite経由でのデータ配信に対する料金の最低値を値下げしました。これからは最安で1バイトあたり1ミリサトシ (従来は1バイトあたり50ミリサトシ)、配信あたり最低1,000ミリサトシとなります。
わかりやすい単位で表現すると、この記事の執筆時点で1MBのファイル配信にかかる費用は1,000サトシ、およそ$0.31です。料金の切り下げによって、料金がネックとなって利用できなかったユースケースにSatellite APIを利用できるようになることが期待されます。配信サービスは今やテキストのみでなく、オーディオ、画像、ビデオ、ソースコード、そしてその他のデータをも配信できます。
宇宙からライトニング!
Blockstream Satelliteへのアップデートの一環として、Lightning Networkゴシップデータのスナップショットを配信するLNSyncサービスを開始しました。ライトニングネットワークは分散化されたピア・ツー・ピアネットワークです。ネットワーク上のノードは支払いに使える経路情報を互いに共有し(これを「ゴシップ」と言います)、利用可能な経路の地図のようなものを構築します。
ノードはこのライトニングネットワークの経路図をもとに支払いごとに最適な経路を選択します。Blockstream Satelliteの受信機を運用している方なら最新のビットコイン・ブロックチェーンのデータに加えて、ライトニングのゴシップデータも衛星経由で入手できます。
blocksat-cliに新機能が追加
これまでもBlockstream Satelliteユーティリティ(blocksat-cli
)に機能を追加したり、使いやすくする改善を施してきました。例えば、利用例として人気が高かったテキストメッセージの配信と受信用のSatellite APIスクリプトを改善し、blocksat-cliユーティリティから直接利用できるようにしました。
また、blocksat-cli
が暗号化メッセージを受信した際にローカルPC上でアプリを起動できるようにもなりました。 皆さんが開発するこの機能のクリエイティブな活用方法に期待しています!
blocksat-cli
のその他の機能改善は以下の通りです:
- Pro kitおよびDIY kitハードウェアのモニタリング機能が追加
--lightning-exec
フラグを利用することでSatellite API配信アプリからのライトニングインボイスの自動支払いに対応- Satellite APIでの配信データに受信時の信頼性を高める前方誤り訂正(FEC)の適用が可能に
アップデートに関する詳細はチェンジログをご覧ください。
接続して使ってみる
Blockstream Satelliteサービスは現在地球上の広い範囲で完全に無料でりようできます。ご自身で受信エリア内か確認したり(おそらくエリア内です)、Blockstream Satelliteより詳しく知るには受信可能範囲マップ とヘルプセンターの記事をご覧ください。