Liquid上で完全担保型オプション契約を利用するためのクライアントをリリース
Liquid Network

Liquid上で完全担保型オプション契約を利用するためのクライアントをリリース

Blockstream Team

最近公開したLiquid Scriptのアップグレードのユースケースの一例として、信頼できる仲介者を必要としない完全担保型オプション契約をブログ記事で紹介しました。オプションのライフサイクルや専門用語のほか、Liquid上におけるオプションの発行および管理プロセスの概要などについても解説しているので、本記事の前に前記事を読むことをおすすめします。

“オプション契約はデリバティブ金融商品の1つで、オプションのライターは、特定日(満期日)までに特定資産を特定価格で購入する権利(義務ではない)を販売し、満期日までに権利が行使されなければ、満期日以降に担保資産を回収できます。オプション取引を活用すれば、オプションの売り手は値上がりを待って売却する意図で保有する資産を希望価格で売却する契約と引き換えに収入を得たり、オプションの買い手は最小限のリスクで原資産の値上がりに賭けることができます。”

先日、Liquid上でオプションを取引するためのクライアントをリリースしました。本記事では、このクライアントについて解説します。クライアントはローカルで実行され、Liquid Networkに接続し、シンプルなウェブフロントエンドまたはRPC経由でローカルにあるアプリケーションから利用できます。クライアントのインストール方法、利用方法については、新たに作成したこちらのドキュメントをご参照ください。

オプション取引クライアントの技術的詳細に関心のある方は、Allen Piscitello、Sanket Kanjalkar、Andrew Poelstra共著のホワイトペーパー"Non-Custodial Options using Elements"をご覧ください。

今回リリースしたオプションクライアントは、まだProof of Concept、すなわち、概念実証の段階です。既知の制約があるため、オプション取引プラットフォームのバックエンドとして本番環境で使用することは推奨しません。Liquid上で提供可能な先進的金融商品の一例として、ご紹介します。

以下につきましては、こちらのドキュメントをご参照ください:

  • クライアントのインストール、実行、アップデート方法
  • クライアントからElementsテストネットノードへの接続方法
  • 様々なプログラミング言語でRPCインターフェースを利用する方法

サイトでは、PythonとNode.jsでオプション取引クライアントを呼び出す方法を例示しています。C#、Ruby、Java、Go、Perlなど他言語については、掲載リンク先をご参照ください。また、オプションクライアント上で簡単にアプリケーションを開発できることを知っていただくために、ローカルで実行できるウェブサイトも用意しています。

コントラクトの詳細や実行可能なアクションが表示できるウェブサイト実装例

オプションクライアントは、下記アクションをRPC経由で呼び出すことができるので、ライフサイクルを通したオプション契約の一貫管理が可能です:

  • 作成、入金、キャンセル、失効、行使、決済
  • ローカルで生成またはインポートした契約の一覧表示
  • オプション契約の詳細表示 (アセット、権利行使価格等)
  • オプション契約のエクスポート、インポート、削除

RPCインターフェースに加え、PythonとFlaskで記述したHTTP APIも提供しています。そのため、オプションクライアントをHTTP経由で呼び出してJSONデータを取得できます。データ取得や一定間隔で実行されるジョブのテンプレートも用意しました。これらを活用すれば、追加ロジックの統合、オプションクライアント外部でのデータ保存・管理、フロントエンドへの外部サービスの統合などが可能です。

また、HTTP APIを利用したウェブサイトも提供しています。このサイトはPythonとFlaskで記述されていますが、HTTP APIコールが可能なプログラミング言語 (Javascriptなど) であれば、どの言語でもAPIを呼び出せます。

上記はオプションクライアントをウェブベースのアプリケーションとどのように統合可能かを示すための例であり、まだ本番環境で使用できる水準にはありません。開発者、エンドユーザーがLiquidのコベナンツを利用したオプション取引のワークフローを実践を通して理解できるよう提供しています。

Liquidのスマートコントラクト機能の活用がいかに簡単か、ドキュメントと実装例からご理解いただければ幸いです。

今後のアップデート

オプションクライアントへの新機能追加の際にはドキュメントを随時更新する予定です。本記事の内容について、ご質問のある方、より詳細を知りたい方はLiquid Developer Telegramチャンネルか、ローンチしたばかりのBuild On L2コミュニティプラットフォームからご連絡ください。

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