ビットコインの開発は業界内外の企業による特許取得数の増加によって危機にさらされ始めています。もしこれらの特許が攻撃的に使われるケースが出てきた場合、ビットコイン関連のアプリケーション開発が阻害される可能性があります。
弊社は2016年に 防衛的な特許戦略をPatent Pledge(特許使用に関する誓約)として発表しました。特許はビットコインの誕生以前から問題のある仕組みで、様々な暗号学関連の技術の普及を妨げてきています。例えばシュノア署名は2008年2月まで特許で保護されていたため、ビットコインや他のプロトコルはより非効率な楕円曲線DSAを選択するほかありませんでした。特許による独占や妨害がビットコインの成長を脅かすことを防ぐ手段の1つとしてPatent Pledgeを発表したのです。
同じ目的を持って防衛的な特許戦略をさらに推し進めるため、昨日発表された 暗号資産オープン特許アライアンス (COPA)においてSquare Cryptoと協力することになりました。弊社が持つ既存の特許はすべてCOPAにコミットし、9議席ある理事会にも参加致します。
COPAとは
COPAはメンバーが暗号資産関連技術の特許を持ち寄り、防衛的な目的ですべてのメンバーが使用できるようにするアライアンスです。
個人でも法人でも、特許を多数持っていても1つも持っていなくとも、どなたでもCOPAに参加することができます。たった2つの参加条件は以下のとおりです:
- 特許使用に関する誓約: メンバーは暗号資産関連特許を防衛的な目的以外で利用してはいけません。この誓約は法的拘束力のあるもので、特許技術をメンバー以外を含む全ての人が自由に使用できることを保証します。
- 特許の共有: メンバーは保有する暗号資産関連特許の全てを他のメンバーが防衛的な目的で利用できるよう共有します。これによって、メンバーであれば零細企業であっても悪意ある主体からの攻撃的な訴訟に対する大きな抑止力が得られます。
Blockstreamが提供する特許
かねてから弊社の防衛的特許スキームに含まれており、一部がLiquid Networkにおいて活用されている以下のような弊社の特許をCOPAの枠組みを利用して共有致します:
- サイドチェーン: ペグされたサイドチェーンを利用して異なるブロックチェーン間の資産の移動する。
- 秘匿トランザクション: ネットワークによるトランザクションの検証の検証可能性を保ちながら、暗号学的に台帳上で取引される金額を秘匿する。
- 秘匿アセット: 個別に検証可能なトランザクションについて、金額やアセットの種類を暗号学的に秘匿する。
- 秘匿クロスチェーンスワップ: 共通のシークレットを使用してアトミック・クロスチェーンスワップを行う。
- HSMペッグプルーフ: 公開鍵暗号とリング署名を用いたアドレスのホワイトリスト。
パーミッションレスな未来
ビットコインはオープンファイナンスとパーミッションレスなイノベーションの礎の上に築かれています。COPAの誕生によって、メンバー同士が一丸となって防衛的な特許戦略を取れることで、ビットコイン関連のスタートアップやエンジニアは心を休めて重要な仕事に集中できるようになります。
ビットコインの進歩をパテント・トロールに邪魔させるわけにはいきません。ようこそ、オープンイノベーションへ。
ぜひ、ご参加を!
COPAに参加する個人や企業が増えるほど、ビットコインのエコシステムは強固になります。参加に感心のある方はまずCOPA公式サイトのフォームにご記入ください。ともにビットコイン開発のオープンさと自由さを守りましょう!