Blockstreamはカナダを代表するビットコイン取引所で、Liquid FederationメンバーでもあるBull Bitcoinによって作成された、Liquidネットワーク上の新規アセット「Liquid CAD」のローンチを歓迎します。
Liquid CAD (L-CAD)はLiquidネットワーク上のカナダドル決済システムとして機能します。Bull BitcoinユーザーはL-CADを使用してビットコインの売買を行うことができ、バンクーバーに拠点を置く流動性プロバイダーのAquanowとの協力により入出金手段として使うこともできます。また、BTCPay Serverが最近Liquidネットワークに対応したことにより、事業者は簡単にL-CADを支払手段として導入することができます。
Liquidネットワーク上の他のアセットと同様、L-CADのユーザーはBlockstream Greenなどのウォレットを使用することでトークンを自己管理すること、および2分以内で他のユーザーに送金することができます。また、L-CADユーザーは送金するアセットの種類と数量を秘匿するLiquidの機密トランザクション(Confidential Transaction)を活用することができます。
カナダの雄牛
2018年のサービス開始以降、Bull Bitcoin(雄牛と強気の意味をかけています)はカナダのビットコイン購入・使用に関するインフラを最前線で整備してきました。Bull Bitcoinはノンカストディアルな取引所なので、ユーザーのビットコインを預かることはなく、注文の執行に必要な時間しかユーザーの法定通貨も保管しません。L-CADの導入は法定通貨の預かりをより一層減らすことが狙いです。
L-CADのローンチは安全でノンカストディアルなビットコイン購入体験を簡素化する上で重要な進歩です。カナダドルに裏付けされたステーブルコインを発行した暗号通貨系の会社は他にもありますが、これらのステーブルコインは時に激しく混雑したりする、ユーザーの取引内容データの保護が不十分なプラットフォーム上で発行されています。Bull Bitcoinは、ビットコインを購入するカナダ人がトランザクションの速度と機密性において妥協する必要のないようL-CADを作成しました。
Liquid上でL-CADを使う
L-CADを使用することで、ユーザーは従来の銀行を通さずにビットコインを購入するためのオンライン支払いを行うことができます。 これには以下を始めとする多様な使い道があります:
- ヘッジ:ビットコイン価格で投機をしているトレーダーは、銀行や取引所に預けるカウンターパーティーリスクを負うことなくビットコインを一時的に売却してL-CADを保有できます。
- 支払い:事業者は顧客に対して、低コストでビットコインのボラティリティリスクとも無縁な電子支払手段という選択肢を提供できます(L-CADはまもなくBTCPayServerでサポートされます)。
- 給与:ビットコインでの支払いを希望する従業員や取引先に対してL-CADで支払いをすることで、交換レートの選択を彼らに任せ、両者の会計上の手間を省略できます。
Bull Bitcoinの取引所はカナダ在住者のみ利用可能ですが、他の地域のユーザーでも二次市場、すなわち通常のトレード、またはピア・ツー・ピアでほぼ瞬時に決済リスクなくL-CADとL-BTC(または他のLiquiアセット)を交換できるLiquid Swap Toolを通してL-CADを入手することができます。
銀行のような第三者に預ける必要がある法定通貨と違って、L-CADはユーザーがLiquidに対応したウォレット(例:Blockstream Green)を通して自身で保有できます。自身のL-CADトークンに対応する秘密鍵を保有することで、トレードしていないときのカウンターパーティーリスクを大きく下げることができます。
なお重要な点として、L-CADはすべてカナダドル(CAD)による預金に裏付けられていますが、Bull BitcoinではL-CADを預けてCADを引き出すことはできません。Bull Bitcoinプラットフォーム内で1.00L-CADと$1.00 CADの扱いは同一ですが、あくまでL-CADはカナダドルと等価でのビットコインの売買にしか使うことはできません。
使ってみる
Liquid上でL-CADでの取引を始めるには、カナダ在住のユーザーはBlockstream GreenをダウンロードしてLiquidウォレットをセットアップし、Bull BitcoinからL-CADを購入しましょう。
機関投資家と一定以上の資産を持つ投資家はAquanowにおいてもL-CADの入出金を行うことが出来ます。
取引所や暗号資産ビジネスなどでLiquid上にL-CADのようなアセットを発行したい方は、統合と発行のサポートを致しますので当チームにご連絡を下さい!