本日、Minimintをスポンサーする発表ができることを大変嬉しく思います。Minimintはプライバシー重視のフェデレーション型ミント(Chaumian銀行)をビットコインで実現するための技術開発を進めているプロジェクトです。
フェデレーション型ミントはLightningネットワークやLiquidサイドチェーンのような既存のスケーリングソリューションの弱点を補います。ノード運用は難しいので無理、しかし中央集権的なカストディアルサービスは利用できない、または利用したくないというコミュニティはフェデレーション型ミントを使うことで、ビットコインの保管や決済をコミュニティベースで容易に行うことができるようになります。
さらにフェデレーション型ミントはブラインド署名を採用しているため、コミュニティメンバーの個人情報、ウォレット残高、トランザクション履歴を自動で秘匿します。
フェデレーション型ミントとは
フェデレーション型ミントはマルチシグウォレットを作成し、プライバシーを尊重した分散カストディを行う独立メンバーによって構成されます。資金の移動と管理はフェデレーションが独自に決めたルールに則って行われます。
ミントはメンバーが預けるビットコインに対して無記名の受領書または手形を発行します。受領書や手形はいつでもビットコインに戻すことができるほか、メンバー間の支払手段としても使えます。ミントは誰に対して手形を発行したのか、いつ手形が使われたかを知ることはなく、支払いの追跡は不可能なため現金のように使えます。
フェデレーション型ミントの技術や仕組みの詳細については、弊社の技術ブログをご参照ください。
Lightningネットワーク上のミント
現在、Lightningネットワークのユーザーに与えられている選択肢は限られています。Lightningノードを運用するか、中央集権的なホスティングサービスを利用するかのどちらかです。大半の人にとって、Lightningノードの運用は技術的にハードルが高く、そもそもノード運用ができない環境に暮らす人もいます。Lightningネットワークにフェデレーション型ミントを統合すれば、ユーザーは初めから最小限のトラストでプライバシーも保護されるウォレットを使うことができます。
ミントはBOLTプロトコルを採用することで、多くのネットワークと互換性を保ち、安全性、匿名性、代替性を担保するだけでなく、Lightningの普及を後押しする使い勝手の良いカストディの標準モデルを作ることができます。
ハイパービットコイン化の実現が近づくにつれ、エルサルバドルのビットコイン・ビーチのように日々の買い物にLightning決済を使うコミュニティは増加します。Lightning初心者にとって、またビットコインをスケーリングするためにも、フェデレーション型ミントのようなカストディモデルは不可欠なのです。コミュニティベースであること、匿名化対策を採ることで、ミントは単一障害点を持たずにプライバシーに配慮した検閲耐性のある柔軟な支払決済システムを構築できます。
Minimintに関する情報
Minimintは現在Fedimint repositoryで開発が進められています。類似コンセプトの実装を目指す開発者が集まり、プライバシー重視のフェデレーション型ミントをビットコインとLightningネットワークに構築するために協業しています。
フェデレーション型ミントについての議論に参加したり、最新情報を得るには、Fedimint Telegramグループに参加するか、Twitterでリード開発者@Eric Sirionをフォローしてください。