Blockstream Satellite 2.0の提供が開始
Blockstream Satellite

Blockstream Satellite 2.0の提供が開始

Adam Back, Chris Cook

弊社による開発期間を経てついにBlockstream Satellite 2.0の提供を開始致しましたことを発表させていただきます。このアップデートによって、公開標準規格に基づく通信プロトコルへの移行や通信容量の拡大、通信エリアの拡大が実現し、ビットコインのフルノードをジェネシスブロックから最新のブロックまで衛星経由で完全に同期することが可能になりました。

今回のアップデートは2017年8月の1.0ネットワークの提供開始、ネットワークの提供エリアを拡大したアップデート、そして2018年12月にライトニングネットワークを使用したメッセージAPIの提供開始と並ぶ大型アップデートとなります。

Blockstream Satelliteネットワークのアップデートと併せて、待望の衛星受信キットが近くBlockstreamストアにて予約受付開始となることも発表させていただきます!

衛星受信キットの予約注文

すぐに使える受信機キットが2種類と、必要であれば購入できるアンテナキットが近く予約注文可能になります:

  • Blockstream Satellite Basic Kit: 自宅のビットコインノードに接続できる、個人用途向けの衛星受信機。受信した電波を処理するためにLinuxが動作するコンピューター(Raspberry Piなど)が必要です。前売り:  $279 / 推奨小売価格: $299
  • Blockstream Satellite Pro Kit: ラックマウント型のプロ向けハードウェアで、Basic Kitの全ての機能に加え、データ転送の信頼性を向上する2衛星からの受信、さらにマルチキャストに対応(詳細は後述)。同じネットワーク上の複数台のデバイスにビットコインのデータを配信できます。前売り:  $749 / 推奨小売価格: $799

上記のどちらのキットもアンテナが別途必要となります。衛星テレビ用アンテナで基本的に十分ですが、もし所有していない場合は弊社からキットの購入をお勧めします:

  • Blockstream Satellite Flat Panel Antenna: 衛星テレビ用アンテナよりスタイリッシュなLNB内蔵のフラットパネルアンテナです。アジア太平洋地域のユーザーは購入前にサポートに連絡して使用可能か確認してください。前売り: $179 / 推奨小売価格: $199

予約注文は先着順に発送されます。最初の発送は6月中旬を予定しておりますので、興味のある方はお早めにご注文ください!

既存のBlockstream Satelliteユーザーは1.0ネットワークが2020年6月1日をもって終了することにご注意ください。ご使用の機材は2.0ネットワークでそのままご利用いただけますが、ご利用を続けるにはこの期日までにソフトウェアアップデートと2.0ネットワークへの切り替えが必要になります。

新しい通信プロトコル

Blockstream Satellite 2.0はDVB-S2プロトコルの導入によってスペクトル効率、信号の信頼性、ビットレートの向上を実現しました。標準化されたDVB-S2のようなプロトコルは1.0で使用していた独自のプロトコルとは異なり、ハードウェアアクセラレーション機能を搭載したDVB-S2対応機材が利用できることでデコード用のコンピューターが不要になりました。

また、DVB-S2プロトコルはシグナル・ノイズ比の低い環境でも利用可能なため、カバーエリアの端での信頼性が向上し、天気の影響が低減され、機材のチューニングも簡単になります。

帯域幅の増加と効率化

ネットワークが2.0にアップデートされることでデータ通信容量が約120 kbpsから約1.6Mbpsへと13倍以上になる一方で、スペクトラム帯域の増加は300kHzから1.2MHzへと4倍の増加に留まっています。通信可能なデータ量の増加にあわせて、ユーザーによるAPI経由のデータ配信のファイルサイズ上限を10KBから1MBへと拡大しました。

圧縮による効率化

アップデートからくる効率化はさらに2種類に及びます:

  • 前方誤り訂正 (FEC): 弊社によるBitcoin FIBREのフォークに、ビットコイン専門家のGregory Maxwell 氏とBlockstreamの信号処理スペシャリストであるIgor Freireによって衛星通信での利用に合わせたいくつかの変更が加えられました。
  • ビットコイントランザクションに関する新たな独自のロスレス圧縮スキーム: BlockstreamのシニアエンジニアであるArvid NorbergおよびPieter Wuille博士による新たな圧縮スキームです。

これらを組み合わせて、従来の前方誤り訂正スキームによる非圧縮のビットコイントランザクションの配信と比べてデータ量を50%以上削減することができました。

新機能: ビットコインの初回同期に対応

帯域幅の増加、スペクトル効率の向上、前方誤り訂正の効率化、そしてビットコイントランザクションのロスレス圧縮によって、Blockstream Satellite 2.0は1.0と比べて25倍以上のデータ配信速度を実現しました。

1.0ではユーザーがブロックチェーンの初回同期のためにインターネットに接続する必要がありましたが、Blockstream Satellite 2.0では初回同期から衛星経由で行うことができます!Blockstream Satelliteユーザーはフルノードを接続して、2009年のジェネシスブロックから最新のブロックまで、ビットコインブロックチェーン全体をインターネットなしでダウンロードすることができます。

ユーザーがビットコインの過去のブロックと最新のトランザクションを同時に受信できるように、DVB-S2が提供するマルチストリーム機能を利用して衛星から2つのデータストリームを配信しています: 過去の全ブロックを配信するストリームと、最近のトランザクションを配信するストリームです。

プロ向けにはEthernet接続に対応

Pro Kitは複数のデバイスにビットコイン・ブロックチェーンのデータを配信するために設計されました。この機材はEthernetで接続することで、デコードされたトランザクションデータを同一ネットワーク上のビットコインフルノードやビットコイン関連ソフト向けに配信します。このデータはVOIPやテレビ会議など他のリアルタイムデータ通信と同じ方式であるUDP/IPデジタルストリームとしてマルチキャストされます。

アジア太平洋地域のカバーエリア拡大

アジア太平洋地域におけるBlockstream Satelliteのカバーエリアが、より一般的に対応されているKuバンドに対応している新たな人工衛星の追加によって拡大されました(1.0ではCバンドにのみ対応していました)。 最新のカバーエリアを見るには、Blockstream Satellite公式ページへどうぞ

Blockstream Satellite 2.0を利用する

新規に利用したい方はBlockstreamストアから予約注文をして6月の発送をお待ち下さい。既存の機材を更新したり、最初からDIYしたい方は、Blockstream SatelliteのGitHubに必要な部品リストがあります同じGitHubにセットアップガイドもあります (公式キットにも同梱されます)。

ネットワークを経由して(新しく最大1MBになった)メッセージを配信したいユーザーは、ライトニングウォレットを用意してBlockstream Satellite APIページまでお越しください。

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